クリスト
Christo
「梱包」という独自のスタイルで制作活動を続けるクリスト。妻のジャンヌ=クロードとともに「クリスト&ジャンヌ=クロード」として活動してきたが、妻亡き後もクリストとして二人の活動を継続している。
当初は瓶や椅子など日用品の梱包から始まったが、次第に巨大な建造物や橋を布で包んだり、自然や公園の中に広げるといった壮大なプロジェクトへと発展した。プロジェクトの実現には、地元住民や政府からの許可が必要であり、構想から実現までに数十年を要することもある。
また、プロジェクトにかかる巨額の費用は、美術館や政府、企業などから一切援助を受けず、プロジェクトの完成を予想したドローイングやコラージュ作品の販売でまかなっている。カラフルな布により見慣れた景色は一変し、観る者に新鮮な驚きと感動を与え、その活動は美術界だけでなく社会的にも大きな話題を投げかけてきた。
2016年サザビーズニューヨークのオークションでは、コロラド州アーカンサス川のプロジェクトを描いたドローイングが2300万円ほどで落札された。
エディションつきのリトグラフであれば数十万円〜100万円ほどで取引され、エディション数の多いものやオープンエディションであれば10万円以内で購入できる作品もある。
彼のもつ壮大なプロジェクトの一端を自宅でも味わってみるには、小作品を買って部屋に飾ることから始めてもよいだろう。
写真=Wolfgang Volz