小木曽ウェイツ恭子
Kyoko Waits Kogiso
小木曽は武蔵野美術大学の油画の大学院を修了した後、制作については一定のブランクがあった。 そのブランクの期間に2人の子供に恵まれたこともあり、実際には制作する時間がなかなか取れなかったこともあったようだ。 しかしながら、絵を描きたいと思う衝動はずっと持っていたことから、ここ最近になって封印していた絵筆を取り出したのだ。 長い時間のギャップを感じさせないその小木曽の作風は見ごたえがある。
小木曽の作品は家族に囲まれた生活の一部を切り取ったものが多い。 特に自分の子供をモチーフとして描いている絵にはほのぼのとした優しさを感じさせる。
コレクターにとっては自らの子供成長とダブらせてみてしまうこともあるだろう。 アーティストであり、母でもあるという小木曽ならではの強さが作品に出ている作品だ。
ただし、単純に穏やかな家庭を描いているだけではなく、そこにある色調や筆さばきは独特の味わいがある。 当初描かれた線をミニマルにしていき、納得がいくところまで単純化させる作業の中で、力強さが生まれてくるのだ。
基本的な技術の高さはいうまでもなく、誰が見てもよい気分にさせてくれる小木曽の作品がますます人気が上がることは間違いない。 今後の活躍に大いに期待したいと思う。