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ナカミツキ

Naka Mitsuki

ナカミツキ

1997年生まれ、2020年京都教育大学美術領域専攻卒業。

10代前半の半身麻痺入院がきっかけで、自身の今のテーマにもなっている”音楽”の世界にのめり込んだ。
CDプレイヤーにイヤホンを刺して音量を上げると、身体が動かないことも毎日が鬱陶しいことも忘れられる。音楽が脳に体に染み渡り宇宙空間にぶっ込まれた感覚、それこそある種の快楽ともいえよう。

麻痺が取れ大学に進学するも音楽熱が冷めることはなく、気が付いたら楽器屋で真っ白のギターを買っていた。進学した大学は京都。縁なのか、古き良き音楽の街だった。ズラっと並ぶライブハウスに音楽喫茶。ドームやホールに行かずとも生の音楽が堪能できるそれはもはや天国そのもの。私はライブハウスで唐突に絵を描き始めた。私は唯一絵が描けた。手法はタブレットを使ったデジタルペイント。デジタルは良い、音楽の渦にいる瞬間の生々しい私のセンスが瞬時に投影される。

私の制作は時間が命だ、描ききるのに2.3日1週間と時間をかければあの感動は朽ち果てる。限られた色で少しでも違うニュアンスで表現するなんて死んでいるのも同然だ。これだという線が引ける、理想の色を選択して一気に描き切る。

初めは衝動的な感情に突き動かされ描き始めた快楽的な音楽の作品。これを人に届けたくなった。溢れる音の渦の中で無我夢中になって描いた絵、これを見たら、その時の情景が伝播して誰かにエネルギーを与えられるのではないか。また、私自身を理解してくれるのではないかと思った。