リカルド・ゴンザレス
Ricardo Gonzalez
「Itʼs a living」。生きている、生きるということ、または人生とも訳せるかもしれないこの言葉を自身のシグネチャーとするアーティスト、リカルド・ゴンザレス。「Itʼs a living」はリカルド・ゴンザレスを表現するフレーズにとどまらず、彼の哲学とも言えます。美しく、シンプルな書体で描かれるリカルドの作品は、巨大なスケールの壁画や、世界規模のブランドのロゴや広告、またストリートで見かけるステッカーまで様々な形で発表されています。「Writing is Painting」というこの展覧会のタイトルにもある通り、リカルドは言葉をイメージとして描きます。メキシコ出身でブルックリン在住のリカルドならではの視点で描かれたこれらの言葉は、私たちと社会のつながりを客観的に観察することから生まれています。見る側の受け取り方で様々な解釈ができますが、私たちは最終的に自らの理解と感覚でこの作品を受け入れ、自分と作品の間に何らかの疑問やつながりを見いだすことになるでしょう。
また、メキシコに生まれたゴンザレスは、幼い頃に祖父の古い筆跡に魅せられてカナダのモホーク大学でグラフィックデザインを、その後、ニューヨークのクーパー・ユニオンで書体デザインを修めた。装飾性を抑えた文字とビビットな色彩で構成された作品、人々と社会のつながりを客観的に観察することから生まれ、強いメッセージ性を放っている。
(Art Scenesより)