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にいみひろき

Niimi Hiroki

にいみひろき

多摩美術大学卒業後、アートディレクターとして広告や、音楽、ファッションのアートディレクションをやりつつ作家活動を開始。
デジタル=不自由 アナログ=自由 の定義の元デジタルの世界をアナログに落とし込むアートワークを展開。

にいみひろきは絵画を通し、「クリエイティビティ」の生産と消費を急速なスパンで繰り返す、今日のデジタル化された社会の状況を批判的に考察します。
ウェブや SNS 上において使用され、そして放置されたデジタル広告をはじめとするクリエイティブ・イメージを象徴的に引用しつつ、
それらイメージの断片を絵画というアナログなメディアに再構築します。
にいみの制作的スタンスは 50 年代において消費社会に批判と再考を促した状況派 (Situationism) と通じる部分を持ちながら、
一方で彼の視線は一貫して「デジタルシフトによって加速するクリエイティヴの消費」という点に向けられています。
浪費され廃棄されていく人間の創造力。その状況に対する痛烈な批判精神が彼の制作の根底に横たわっています。
作品化のプロセスにおいて、徹底して物象性にこだわります。


自らも広告制作に携わってきた彼にとって今日の「クリエイター」とは、その多くがデジタル・イメージを生産する機械に近く、
そこに永続性や独自性は求められません。その反発として、消費が前提となっているデジタル・クリエイティヴを物質に変換し、
自らの視点を織り交ぜ、新しい視覚言語として提示します。彼の活動は、それそのものが私たちが持っている創造性とその行使に対する肯定であり、
同時に凄まじい速度によって生産と消費のサイクルを繰り返す現代に対しての警鐘であり、
そして一つの反抗のあり方を示すものとも言えるでしょう。