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元永定正

Sadamasa Motonaga

元永定正

戦後日本の美術界を象徴する作家の一人。1955 年関西を拠点に活動する前衛美術グループ「具体美術協会」に参加し、 16年間中心メンバーとして活動した。

未知なる自然 を創作の源とし、色水をビニール袋に入れ吊るした作品や煙を使ったパフォーマンスなど、斬新な素材を用いて自然現象を表現した実験的な作品を発表していった。
その後、絵具や塗料を直接キャンバスに流し込み川の流れや細胞分裂といった自然現象を示唆するような流動的な抽象絵画を発表し注目を集めた。

後期は、作品名に擬態語や擬音語を取り入れ、どこかコミカルで遊び心あふれる抽象画を発表。
絵本も数多く手がけてた。特有のフォルム、抑揚のある線や形、豊かな色彩は、創作の原点である自然のかたちや色を連想させ、観る者の心を和ませてくれる。

2013年にMOMAとグッゲンハイム美術館で「具体」を紹介する展覧会が開催され国内外で大きな話題をよんだ。
同時に元永をはじめ、具体のメンバーの作品が世界のコレクターの間で人気を集め、2015 年のサザビーズのオークションでは、1m弱の絵画が1億円近くで落札された。

現在、そのクラスの大作は、数千万円で取引されており、 近年の再評価により、その価値は揺るぎないものとなっている。
海外での再評価がより価格を押し上げ、長く持って置く一枚として意味をなしていくことは間違いない。