奈良美智
Yoshitomo Nara
にらむような目をした少女や動物を、一見するとシンプルで漫画のようなスタイルで描くことで知られる奈良美智。
すでに売れっ子の奈良美智ではあるが、そんな彼でも東日本大震災の後6か月の間には1枚しか描けなかったとのこと。
「自分が何ができるかと考えたら、人として何かはできるけど、美術は即効性のあるカンフル剤みたいなことはできない、ということを痛感しました。」
アーティスト・イン・レジデンスのオファーが震災の前にあったため、結局、震災後にそこにいて、そして学生の中に混じって制作をした。大学へは通常は1日だけ講演して終わったり、ワークショップをちょっとやって終わるのだが、結局半年もいることになる。
奈良美智はその間、絵を描くことができなかったから、直接手を使って何かできることと思って、粘土を使ったものづくりも始めている。
それが作品の幅を広げることにつながり、さらに作品としての評価も高くなってきている。
奈良美智の作品のオークションハウスでの評価は、2015年11月クリスティーズNYで341万3千ドルで落札(約4億円)するなど、絶好調である。
ここ5年で価格は2~3倍近くになっている。
90年代に数万円で取引されていたドローイングも今であれば200万円を下ることはない。
今後もこの傾向は続きそうだ。
値上がり率は以前は草間彌生であったが、2015年以降は完全に奈良美智が大きなトレンドのリーダーとなってきている。
将来的な価値の上昇はさらに拍車がかかる可能性があり、コレクターとしては今のうちに絶対に持っておきたい一品である。
1959, born in Aomori, Japan