舟越桂
Katsura Funakoshi
日本が世界に誇る彫刻家、舟越桂。
観音像のような神秘的で繊細な表情と、静謐で瞑想的な雰囲気を持つ木彫半身像が印象深い作品群。大理石でできた玉眼は永遠を見つめるかのような澄んだ眼差しと、誰もが共感できる郷愁感を持ち合わせ、一瞬にてし鑑賞者を引き込み魅了する。
1988年にベネチアビエンナーレ(イタリア)、1992年にはドクメンタⅨ(ドイツ)などの世界的な展覧会に多く出品。人気・実力共に世界レベルの作家である事が証明される。その他にも多数の個展開催や国内外の展覧会に出品し、その評価を不動のものにしていった。
近年では、芸術分野で優れた業績を上げた人に贈られる、第59回文化庁芸術選奨文部科学大臣賞(2009年)、春の紫綬褒章(2011年)をそれぞれ受賞。また2015年からは全国の美術館での巡回展が開催されており、相変わらずの人気ぶり、注目の高さがうかがえる。
造形の核心の追求は留まる事を知らず、彫刻の他デッサンや、1987年より積極的に版画にも取り組み、リトグラフ、エッチング、ドライポイント、アクアチント、木版など、毎回新しい技法に挑戦。彫刻家としてのイメージが強いが、デッサンや版画等の平面作品で見せるその絵画性も高く評価されている。
高さ60㎝の立体作品が2012年のSBIオークションで2530万円で落札されるなど、セカンダリー市場でも国内外で評価が高い。
また、舟越自身、平面作品を彫刻と変わらぬ芸術の一手段として重要視しており、自身も彫刻よりも好きな作品があると言っている程だ。
舟越の平面作品は、彫刻作品に比べ比較的安価であり、また場所を選ばずに保管しやすいという利点もある。作家自身のお墨付きというのも魅力だ。
またセカンダリー市場での評価も安定している作家。価値が高騰しきる前に持っておいて損は無いと言えるだろう。
1951, born in Iwate, japan