板に彩色と彫りを施した独自の技法による「板画」を中心に展示をします。 彩色した後は、「彫る」というマイナスの作業のみによって’生と死’ や ’陽と陰’ など 相反するイメージが錯綜する画面を仕上げていきます。 日常に潜む不安と混沌とした生命の力強さを表現しようとしています。
<作家コメント>
移ろいゆく自然も、 憂いと喜びが交差する人々の心も、 常に互いに影響されながら、 多様な表情を見せる。 それは水面に落ちる水滴や風でおこる波形のように現れては消え、 変化し続ける。我々は大きなうねりの中で、 一時的な現象に一喜一憂しながら、 波紋を残しつつ流されうごめく。 それがどこに向かっているかは、 知る由もない。 自身のフィルターを通して、 その波形を作品に留める。