岩からひょろひょろと伸びた松の枝。そのカタチは一見奇妙に見えますが、実は、日本の伝統的な盆栽や園芸の基本的な様式に基づいています。松をモチーフとしたドローイングを多数制作してきた山本は、立体の制作において天然素材を一切使わないのが大きな特徴です。自然な風景を再現するために、あえてFRPという合成樹脂を使用する山本の姿勢には、自然物に対して敬意を表していることが垣間見られます。本作品「石其ノ二(改)」は、当初「石」だけだった作品に松が植えられたことにより、「(改)」が付いたとか。昨年デビューしたばかりの山本ですが、立体は制作数も少なく現在では入手しづらくなっているので、この機会にこの一品をどうぞ。