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「無題」つまり題名がないために、見る側が勝手にストーリーを想像することができる。ドローイングのもつ魅力の一つだ。ドローイングといっても実は紙の上ではなくコーティングを施した銅板を鉄筆で引っかいて版を作るエッチングによる版画。落書きのように自由奔放な線描の面白さは、パウル・クレーの世界にも通じるものだ。クレーは幼い息子のお絵描きをちゃっかり借用していたらしい。シュリグリーもきっとそうかもしれない。いや息子の方が上手かな。実際に子供の描いた絵と並べると楽しそう。
ディヴィッド・シュリグリー
David Shrigley
ソフト/ハードグラウンドエッチング、スピットバイトアクアチント
1968年 スコットランド、マックルズフィールド生まれ。 グラスゴーを拠点に活躍する英国人アーティスト。 ドローイング、ペインティング、立体、写真など様々なメディアで、コミカルかつ哀愁の漂う作品を制作し続けている。 日本での個展はまだ行われていないが、ブラー(BLUR)のビデオクリップ「GOOD SONG」に使われている彼のイラストによる脱力系アニメなどは一見の価値あり。 また、2002年には東京オペラシティ・アートギャラリーで行われた「JAM:東京─ロンドン展」で、奈良美智とコラボレーションも行っている。