抽象表現主義最後の世代であり、ポップ・アート誕生の土壌となったネオ・ダダの開拓者として戦後のアメリカを代表する画家、ジャスパー・ジョーンズ。1954年の作品『旗』、1955年の『石膏型取りターゲット』で一躍注目を集め、当時のアメリカ美術界のトップに躍り出ました。旗や標的など二次元的なもの・数字やアルファベットなどの実体を持たないものをモチーフにすることで絵画を見るという行為の再構築を図りました。蜜蝋を用いた画法によって塗りの筆跡を残しながら厚みのある二次元性を示唆し、絵画の曖昧さを排除した作風で知られています。