目を引くのは鮮やかなショッキング・ピンクに近い水玉模様、バラの花や猫もいるし、真ん中一番上の譜面台もオシャレ。でよく見ると本物のプラスチック製の定規が貼り付けてあったり、紙の上に貼られた布は紗のような絹らしく高級感がある、それとプラスチックのチープな感じがアンバランスだけどしっくりしていて見事。手の込んだ作品だ。ケージというとペット用の籠を連想するけれど、下のほうの人物はどうやらラウシェンバーグの親友だった作曲家ジョン・ケージの若き日の姿と思われる。自動車のハンドルを握っているようだが、舗道に画用紙20枚をつなぎ合わせて、その上を彼の車がゆっくり動き出す、後輪タイヤにラウシェンバーグがインクを塗って追いかける。長さ7メートルの紙にタイヤの後がプリントされる。1953年二人の共同制作の様子が想像される。