タグボートで取り扱うドローイングの中でも、アウスラーは大人気です。こちらの作品は、春らしいピンク色で描かれた、しかしどこかグロテスクでもあるカエルのポートレートです。憂いを含んだ瞳に妖艶な唇のカエルは、どこかとぼけていますが見る人を惹きつけて離しません。トニー・アウスラーは白い布を着せた人形にプロジェクターで人間の顔の映像を投影するという、ビデオインスタレーションがよく知られているアーティストですが、これまで東京のギャラリー小柳やワタリウム美術館などで数回にわたり国内の展覧会で紹介されています。昨年は水戸芸術館の展覧会「Lonely Planet」にも出品していた、日本でも人気の高い作家です。