コラージュとアクリル画、2つの技法を両輪として駆使し、またそれらのミックスによってドライブ感のあるアートワークを展開しているのが、buggy氏です。
ポップアイコン、フェイマスな意匠を溶け込ませたカラフルで遊び心溢れる絵の数々。
猥雑なパロディ感覚を憎めない可愛らしさで包んでみせる、そのヒップな画風は女性ファッション誌などで高い人気を集めています。
得意とするモチーフは、メディアを通して広く時代を彩り、人々のミーハー心を刺激してやまないスーパーモデルやファッションデザイナー、セレブやヒーロー、ヒロインたち。
それらに対し、グラフィティカルチャー以後のマナーを受け継ぎつつ、彼独自のウィット溢れるカットアップ感覚で強烈にレスポンスを打ち返し続けています。
ゴシップがセンセーショナルに流布していくように、私たちのリアルな時代感覚を混ぜ返してしまうタイムリーな発信力も魅力。
死滅したと言われて久しいサブカルチャーの、地下から突き上げるようなカウンターパワーは、今も彼の手元に温存されているのかも知れません。