“荒廃空き地”
セクシャリティを主題とし、身体を撮ることで他者との関係性を問い続けるアーティストとして知られる鷹野隆大。しかし本作品は少し違った表情を見せている。彼が「毎日写真」と呼び、1998年から取り組んでいるシリーズである。
「IN MY ROOM」のような性や体を撮るシリーズのほかにも取り組んでいるものがあります。そのひとつが「毎日写真」で、「何も考えずに撮る」ことを第一にして1998年からずっと続けています。
きっかけは、「作品撮り」をしている時間に比べて、撮っていない時間のほうがずっとながいことに気がついたことです。そもそも写真は「ハレ=非日常」のものであってはいけないと考えてスタートしたのに、いつのまにか特別な日にしか撮らなくなっていて、それじゃまずい、もっと「ケ=日常」のものにしなければと思ったんです。
初めは「写真の記録性」を意識したいましたが、続けるうちに「写真と記憶」の結びつきに興味を持つようになりました。ただ、10年近くやってみて、どうやら二つは別のものだと感じ始めていますが。
「毎日写真」とこれまで発表してきたシリーズは、いまのところ直接関連はありません。でも、最終的にはうまくつながってくれることを期待しています」
(アサヒカメラ/朝日新聞社 2007年4月号より抜粋)#script tag escaped#flgDispRecommend=false;#script tag escaped#