津村耕佑は、ファッションの登竜門と言われる第52回装苑賞受賞後、三宅一生氏の下クリエーションスタッフとしてパリコレクションに関わりました。代表的な作品にFINAL HOMEがあります。究極の家と総称し常時と非常時に対応したウエアーです。 1994年製品リリースの翌年、阪神淡路大震災が起こり、地震多発地帯の日本の都市環境を反映した予言的なウエアーとしてファッションのみならず、建築界やアート分野からも共感を得ています。PUZZLE WAREはフックとスリットで構成され、連結とリセットが容易なユニットパーツです。増殖と死滅を繰り返す生命細胞から着想を得た物で、作者の創意や状況を反映させた自由な造形が可能です。津村はファッションの解釈を環境にまで広げ、ボイドに芽生える可能性に注目する作家です。