ERICO氏が一貫して描き続けているのは、耽美的な面立ちの女性を中心とする、メランコリックな「乙女画」。水彩色鉛筆とインクペン、アクリル絵具をミックスして描くその世界には、乙女と対極的なバッドイメージも調合され、甘辛ミックスのファンタジーに仕上げられているのが特徴です。グラフィティ系のフットワークと、女性らしい優美な描線との絶妙なハイブリッドがユニーク。やや懐古的なロマンティシズムの香りも魅力で、熱心なコレクターを増やし続けています。本作は、個展「OTOME MANDARA」(2017年、恵比寿・AL)にて展示され、好評を博したシリーズからの一作。彼女の構想力の素晴らしさが十分感じられる手頃なサイズ感の作品です。