ペットの気持ちをすべて理解しているという自信が溢れている時というのは、もしかしたら逆に彼らに自分を理解してほしいと強く願っている時なのかもしれないと思うことがあります。この絵の中に描かれているのは、いかにも視聴率の高そうなペットと飼い主のクイズショーです。「どちらが僕が初めて君に作った小屋?」というという問いに、犬は戸惑いながらもひとまずBと答えています。自分こそペットと理解しあい、愛し合っているというこのパフォーマンスは、犬をフィルターにしてテレビの向こうへ発信される、飼い主自身の自己表現にも見えます。愛情や気持ちの汲み取りあいのパフォーマンスは、はたして第三者に公開されても純粋なものと言えるのでしょうか。