ペットたちの衣食住の欲求を確実に満たすために、私たち飼い主は半ば取り憑かれたようにその欲求を尊重しようとしています。餌にはなるべく自然な食材を、トイレにはストレスのない全自動の清掃機能付きのものを、眠る場所はより快適で人間に近いものを。ご存知、犬の専用美容院だって存在します。彼らのためを思って人間が見出そうとしている動物の欲求は、人間と同様に、最終的に働く権利の欲求を見出し、彼らを働かせてあげようという謎の思いやりにまで達してしまうかもしれません。たとえ、それが最もはじめの人間と犬の関係、労働要員としての犬に立ち戻ってしまっているとしても。