「古代、信仰のため日本に呼ばれ、獅子から犬へと転じた狛犬に、愛玩犬の歴史や、それがぴったりと寄り添い続けてきた人の歴史との相関を見続けている」とは曄田氏が一貫して追い求めているテーマ。描かれているのは、まるで獅子のような犬たち「獅子狛」。本作のサブテーマとして据えられているのは「変身、変化」。海外からも称賛されている曄田流の獅子狛にまた変化を与えて拡張させ、『祈り』の裏側や死生観、ハレとケ、常世と現世、祈りと呪いなどを描くことに挑戦した作品の1つ。此の世の最後は彼の世のはじまり、めでたくもあり、めでたくもなし。