書道の美と技法を現代アートのなかへ新鮮な角度で吹き込む活動をしている、開田氏。墨汁と紙が引き起こす偶然性を援用しながら自らのイマジネーションを、作為と無作為のフュージョンという創造に結びつける、そんなゾクゾクする新しい「書」の魅力を盛んに発信しており、これまで「書」のジャンルに馴染みのなかった人々からも注目を集めています。
本作は、人の身体が再生に向かう生命力について表現した「The process of reproduction.」シリーズからの一作。植物の樹液を思わせるヒトの傷痕とその治癒力を、ボンド墨による流し書きで表しています。陶芸作家との二人展(2018年、南青山・モルゲンロート)にて展示され好評を博しました。