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越後しの氏が一貫して追い続けているのは、その時々の自分の心象風景だといいます。念写のようにして日々、彼女の手元から生まれるユニークな「自画像」には、原画か版画かを問わず、詩的な含意の膨らみと民芸品的な可愛らしさがあります。 本作は、彼女の個展でも常に絶大な人気を誇る鉛筆画シリーズより、越後氏自薦の新作。細やかなタッチと階調豊かな濃淡により、彼女のアクリル画や紙版画の世界が、優しい鉛筆画として展開されています。ポエムや童話の情景を思わせる微笑ましい描画が魅力です。
越後しの
Echigo Shino
紙(アラベール)に鉛筆
pencil on paper
宮城県生まれ。画材店勤務の1995年より独学で絵の制作を始め、98年にアートギャラリー「GALLERY ECHIGO」を仙台市にオープン。以後、仙台を拠点に創作活動を続けている。最近の個展に「思わせぶりな沈黙」('17年、東京・AL)、「晴れ時々ひとりじめ」(同年、西荻窪・ヨロコビto)。その他グループ展に多数参加。おもな受賞歴に「TURNER ACRYL AWARD 2000」青葉益輝賞、「SENDAI ART ANNUAL 2005」飯沢耕太郎賞・明和電機賞など。