おもに森の生き物を題材にファンタジックな水彩画を発表し続けている村田なつか氏。童話本や絵本のワンシーンを思わせる場面構想力は、透明水彩の独特な滲みとマスキング技法とを駆使することで、より洗練された境地に達しています。動物イラストレーションの王道を承けつつ、自然の陰りや発光感まで豊かに表現できる余白の巧みな使い方が印象的。
本作は、村田氏の2019年のオリジナル作品です。白馬は様々な神話・伝説において特別な意味をもっている動物ですが、本作は彼女が山梨県で初めて乗馬した白馬がモチーフになっています。とても美しい牝馬で「森の乗馬コースを番人の様に案内してくれた」といいます。何ヶ月かして夢にこの馬が現れたことから、その夢の情景をヒントに本作を描きあげたという、特別なストーリーがある一枚。お部屋に優雅で神秘的なインスピレーションを与えてくれるでしょう。