版画の手法を最大限に駆使した濃淡グラデーションと驚くほど細かい描き込みに、精神的な深奥を浮き立たせる力があると高く評価される石川真衣氏。本作は、リトグラフにより制作された石川氏の近作から自薦の1枚。彼女が初めて盲導犬をテーマに描いたものです。
「使役犬の中でも特に日常で目にすることが多い盲導犬をずっと版画で作りたいと思っていました。彼らは幼い頃から試験を受けることが決められていて、パピーウォーカーによって育てられます。そして厳しい訓練とテストにパスした後は人生の大半を他人のために報酬もなく24時間働きます。誰も代わりのできない仕事です。人類の親友に敬意と感謝を込めて作りました。」(石川氏のステイトメントより)