本作品は、世界的なパンデミック下において人々がどのような行為・行動を行っているのか、様々なシチュエーションにおいてその痕跡をリサーチしているシリーズです。現在、私たちは刻一刻と変化する社会状況の中で日々を生きています。しかし「パンデミック」や「コロナ禍」といった一括りに表現された言葉からは、私たち一人ひとりが実際にどのような日々の暮らしを営んでいるのかはなかなか見えてきません。どのような状況下においても私たちは毎日を生活しているし、そのために日々いろいろな行為や行動を行っています。そしてそれらの行為の大半はとても些細な動作です。リサーチ活動によって採集した物品を型として、その内部の形状を透明なシリコーン樹脂で再現しました。様々な行為の痕跡の形状を抽出していくことで、それらの行為に宿る気配を探り出そうと試みます。