・【とんちき坊やとまぬけのろん】シリーズについて
このシリーズは、好奇心旺盛な男の子・とんちき坊やとその相棒の犬・まぬけのろんが旅をしながら様々な人や出来事などに遭遇する様子を描いた絵物語シリーズです。
・この作品について
〈和睦(『とんちき坊やとイルカ島の国』より・②)〉
『とんちき坊やとイルカ島の国』の一コマ。
戒厳令の発令で混乱していたイルカ島の国でしたが、一方で内乱への発展を危惧した政治家たちは話し合いによる事態の収拾を試みます。
当時、政権はオオサンショウウオ大臣率いる一派が握っており、犬族やカエル族は野党の立場に甘んじていました。今回の政変(農園門の変)を利用してオオサンショウウオ政権が犬族とカエル族の排除に向かうことを危惧した犬・カエル両族の領袖は、戒厳令が発令されたことを利用して実力行使で政権を倒す筋書きを企てました。
結果、犬族とカエル族は政治同盟を結成することを決め、その後、歴史的には対立することの方が多かった両族が和解したことを示すため、両族の領袖が笑顔で握手をするというセレモニーが開かれます。
これは、歴史の教科書には「ワンケロ講堂の和睦」と記録される歴史的な出来事です。
このセレモニーは、強権的なオオサンショウウオ長期政権に嫌気がさしていた国民世論に概ね好意的に受け止められ、ここで成立が発表された政治同盟が世論の後押しを受ける重大なきっかけとなりました。
描かれている犬族とカエル族の領袖たちの目線の先には、とんちきとろんが立っています。