黒田阿未(くろだあみ)氏は、紙版画(板紙凹凸版)を中心とした手法で創作している新鋭です。彼女にとって制作活動は「私とは何者であるのか」という問いかけであり、「制作することで自身と向き合い思考し、確認し、会話している」のだといいます。少女たちの夢や空想、深く濃い耽美を主題にしたその繊細な表現は、数々のコンクールやグループ展で高い評価を得ています。
本作は「誰にも語られなかった物語」をイメージして制作された一作。厚紙で造形し作ったというエンボス手法での描画にいたるまで、全てが耽美的な世界観です。グループ展「晩翠画廊 25周年感謝祭」(2022年、仙台市・晩翠画廊)にて展示され好評を博しました。