花や動植物たちのみずみずしい生命力が、紙やキャンバスの上に再び息を吹き返す、それが星きさら氏の絵の楽しさです。それらの合間に時おり、鳥や動物たちが騙し絵のように調和していることにも気づくでしょう。あえて輪郭をクリアにしない、味わい深い絵筆のストローク。色の群れが咲き誇るように構成されるスタイルは、彼女の心眼に写った”新しい景色”を私たちの印象深くへ吹き込むのに十分な、マジカルな迫力を備えています。
本作は2015年制作の、彼女の代表的シリーズから自薦の一作。水彩絵具のもつ透明感を活かし、木々のなかに静かに潜む鳥たちを表現している人気シリーズです。生活空間に馴染みやすいこぶりなサイズ感も魅力です。