Profile

1953年、イギリス北部工業地帯ランカシャーに生まれる。ロンドン芸術学校(LONDON COLLEGE OF PRINTING)で写真を学んだのち、76年に高等国家免状を取得。翌年より、サンフランシスコに渡り、写真家として活動を続け現在に至る。

世界屈指のランドスケープ・フォトグラファーとして、自身の崇高な美意識と芸術性を一葉の写真の内に表現するマイケル・ケンナ。その作品は、ロンドンのヴィクトリア&アルバート美術館やフランス国立図書館、サンフランシスコ近代美術館など、実に40以上もの美術館に所蔵され、世界で最も作品がコレクションされている写真家のひとりに数えられています。彼は、被写体との「対話」を通し、その土地に残された人々の記憶や時間を手繰り寄せるという自らの創作スタイルで、叙情溢れる芸術的な作品群を数多く世に送りだしてきました。世界各国にわたる創作活動のなかでも、1987年以来幾度となく訪れた「日本」にもその創作意欲は向けられ、彼独特の「対話」の記録として、その景観に潜む「精神性」を印画紙に描き綴ってきました。

主に夜明けか日没時を選んで撮影されるケンナの風景写真は、伝統的でストレートな技法、構成によって表現され、独自の美意識による卓越したプリント・テクニックが作品のオリジナリティとクオリティを決定づけています。また、光と大気の微妙な変化を焼きつける彼の作風は、時に現実を離れた異次元空間を思わせ、クラシカルでロマンティックな叙情に満ちた作品として、アートに携わる世界中の人々から高い評価を得ています。 2000年にはフランス政府より、芸術文化勲章シェバリエを受賞。

現在はアメリカ、ワシントン州シアトル在住。
(ギャラリー・アートアンリミテッド より)