本作品シリーズは、室町以降の日本画をトレースし、現代的なメディウムで塗り隠したモノになる。
岡倉天心は、鎌倉時代から室町時代にかけて日本の美意識は「完成した。」と唱えた。それは南宋が滅んだ際に渡来した技術者や僧侶を通じて日本にもたらされた様々な価値によって出来上がったモノであったが、私たちはその事を忘れがちだ。その為に、明治維新、産業革命、敗戦、そして現代のデジタルイノベーションとグローバル化が求める効率化の中で、その美意識の持つ意味は徐々に失われようとしているのではないか、、私はその経緯を作品のモチーフとする為に、このような制作手順をとる事にした。