森羅万象からのインスピレーション、生命の息吹を存分に吹き込んだ絵画や木彫立体、パッチワークなどの作品を発表している、しょうじこずえ氏。西洋美術のシュルレアリスムも南国のスピリチュアルアートも合わせて飲み込んだかのような物語性豊かな構想リソース、パッション溢れる表現に各方面から注目が集まっています。彼女の手から日夜生み出される様々な生命たちは、激しくディフォルメされた「眼力」が特徴的。それらのクリーチャーたちは彼女自身の生命観を鮮烈な眼差しで観る者に説き続けており、彼女の世界にのめり込み平面、立体を問わずコレクションする”コズラー”の増殖につながっています。
本作は、彼女が大好きな生き物たちを布や刺繍で表現した「布絵」シリーズからの一作。様々な布ハギレを細かく切り貼りし、その上に刺繍を施したりペンで書き込むことで作り上げている作品です。“いのち”のある作品を手掛ける上で、布の持つ温もり感と生き物たちの体温は似ているとしょうじ氏は考えています。本作は彼女が愛してやまない「猫」をテーマに、鼻歌を歌ってご機嫌なイメージに仕上げたもの。
個展「charm(2023年、梅ヶ丘・ギャラリー来舎 梅猫庵)にて展示され好評を博しました。