染め、塗り、ドローイング、切り絵など紙に対するあらゆるアプローチを融合させた独自の貼り絵技法で人気が高い沙織氏。時に伝統的な手漉き和紙や友禅和紙も材料とするなど、オリエンタル / オクシデンタル双方の美学をブレンドする、幻想的なカラーバランスも魅力です。細やかなニュアンスと文芸的な画想、大胆な絵肌の乗算が、動物や草花、人物などのモチーフへファンタジックな飛翔力を与えています。
「ALBION AWARDS」の初回で金賞を受賞するなど、その比類のない世界観にはかねてよりアート関係者の関心度も高く、全国各地での展示のたびに新しいコレクター、フォロワーが着実に増加中。今後の伸びしろに大きな期待が持てる注目のアーティストです。
本作は彼女の人気シリーズ、ミニサイズの「富士桜」の1作で紅富士を描いたもの。コラージュ素材は主に美濃和紙、満月には金箔を使用しており、光があたると幻想的な煌めきを放ちます。紅色の富士山はアクリルガッシュとオイルパステルで繊細に描かれており、コラージュとの対比をお楽しみいただけるでしょう。
「ものごとの始まりを意味する赤色には【勝利と活力】という意味があります。空には明星が輝き、希望の光が降り注いで世界が明るくなる様を暗示しています。オーナーとなる方に、人生の勝利と繁栄があるようにと願いを込めて描きました」(沙織氏のステイトメントより)。