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証明写真をもとに描いた顔の上に、元の顔を歪ませた図像とドローイングを重ねて描いている。歪んだ図像は人の顔が見られる時に持つ多面性を表している。 鑑賞者は図像の隙間からしか顔を見る事ができず、隠れてしまっている部分はそれぞれが脳内で補完するため、鑑賞者によって想起されるイメージは多様だ。 ドローイングはその人への先入観を描いたものである。印象を抱くことは一方的な行為であり、元の顔を覆い隠してしまう。 引いてしまった線に向き合うことは生まれ持ってしまった顔に向き合う事と似ていると私は思う。
渡部真衣
Uzuki Watanabe
ベニヤパネル,吉祥麻紙 , 岩絵具 , 水干絵具,薄美濃紙
Plywood panel, hemp paper (Kisshoumashi), mineral pigments, water-based pigments, Japanese paper (Usuminosi)
1998 千葉県生まれ 2020 多摩美術大学美術学部絵画学科日本画専攻入学 2023 4人展「SLOW MAIL」(GALLERY33) 2023 2人展「タマゴを交換するようなこと」(Room_412) 2023 第8回石本正日本画大賞展 入選 2024 多摩美術大学美術学部絵画学科日本画専攻卒業 2024 多摩美術大学大学院修士前期課程日本画研究領域入学 人の顔は見られる時その数だけ多面性を持つが、顔そのものは1つである。そして見る・見せるという行為は 一方的で暴力性をはらんでいる。 顔という物の性質や、顔を起点として発生する他者との関係性を探るために制作している。