10年以上も前になる。
バイトで疲れ満員電車で帰る途中、荒川に架かる橋を通過する途中、人混みの隙間からオレンジの光が差してきた。
それと同時に、座っていた学生服の男の子が身体をひねりスマホで夕陽を撮り始めた。
あの日の夕日は今でも忘れれないほどに美しかった。
年頃の男の子でも思わず撮りたくなる夕日。そんな子がまだいるんだとなんだか勝手にうれしくなった。
私も撮りたかったけど吊革につかまっているのが精一杯で身動き取れず、無残にも夕日は過ぎ去っていった。
あの日あの子が写した夕日
今も夕日を見るたびに思い出す
誰かの琴線に触れる、そんな夕日を私は描きたい