建造物やその反射像がある風景の中に、街や人々の息遣いを捉える「City Portrait」シリーズ。
本作では、東京駅丸の内方面を捉えている。アップルストア特有の現代的なガラス張りの構造に、近代建築の趣を携え復原された東京駅が浮かび上がり、ガラスの内側にはウィンドウとして設置された竹が確認できる。西洋化を目指しその生活を享受するわたしたちであるが、その時々の動向を追う中で何かを置いてきたり、ちぐはぐなシーンを内包したりしながらも今日の状況をそれとなく受容して過ごしている。
過去の時代を象徴する建造物と現代を象徴する企業の外観とが重なり、街行く人々の姿も相まって移り変わる時の流れとその儚さを印象付けている。