川村貴彦
Takahiko Kawamura
1970年新潟生まれ。
ペインティングを主とした表現活動を行う他、これまでに、NEPENTHES (ネペンテス)、NUMBER (N)INE (ナンバーナイン) などのブランドへグラフィックを提供し、その作品はファッションの分野からも高い注目を集めている。
彼の作品のモチーフとなっているのは、自身がリスペクトしているアーティストや時代の象徴ともいえる歴史的な人物など。
直線と円による曲線というシンプルな構成で的確に特徴を捉え、そのすべてが無表情というのが特徴。 観る者の感情によって表情が変わっていくような不思議な作品である。
ファッションと現代アートの関係性は以前からあるのだが、どちらかというとファッション側が依頼して、すでに大物となったアーティストにブランドと作品イメージのコラボを図る場合が多い。
しかし、川村貴彦は当初からブランドに対して能動的に作品を提供してきた点で大きく異なる。
ファッションの流れに取り込まれることなく、アートとしての独自性を発揮していける感性はこれからの日本のアート界にひとつの流れとして始まる可能性がある。
海外などの展開も含め将来が期待できる作家だけに、価格がこなれている今のうちに買っておくのが賢明であろう。