西川美穂
Miho Nishikawa
ピースの又吉直樹さんの芥川賞作品「火花」。 テレビで何度も見たその表紙の装丁画は誰が描いた絵なのだろう、と思っていた人は多いはず。
売れっ子作家の装丁画は非常にハードルが高いにも関わらず、生まれて初めての装丁画が 芥川賞を獲得したベストセラーに選ばれたシンデレラストーリーがここにあります。
現在は一児の母として作家を続ける西川美穂さんの作品は 独特のタッチで私たちの心をゆすぶります。
タグボート初登場の西川美穂さんの作品をご紹介するとともに、今回の「火花」の装丁にいたったエピソードを インタビューいたしました。
- 芥川賞作品「火花」の表紙の装丁のきっかけ -
2012年のARTBOX大賞展でグランプリを受賞したのですが、そこで2ページにわたって現代美術アーティスト紹介の本に掲載させてもらったことがきっかけでした。 文芸春秋の編集者がピース・又吉直樹さんの「火花」の表紙になる作品を探していたのですが、当時なかなか又吉さんからOKになる作品が見つからなかったそうです。 編集者が期限ギリギリまで探してところ、たまたま池袋の書店で私が出ていた本を見つけたようです。
- 実際に表紙になってからの反響は -
又吉さんのことは存じ上げてはいたのですが、まさかベストセラー作品になるとは思ってもいませんでした。 今年3月の本の発売以来、はじめて自分の作品が本屋で山積みになっているのを見て、なんか自分の作品でないものがひとり歩きしてるような感覚を持ちました。
- 今後の制作活動について -
いつもは人物画が多いのですが、たまたま装丁画は違ったんです。今後は、装丁画のイメージ引きずられないよう独自の価値と主題をもって描いていきたいです。