榊貴美
Kimi Sakaki
1983年 和歌山県生まれ
2010年 東京造形大学美術学科卒業
2012年 東京造形大学大学院修士課程修了
現在は千葉県在住
幼少期に過ごした和歌山県「熊野」の地は、仏教、自然崇拝など、様々な「信じる」が融合した環境だった。自然の美しさや厳しさ、そこに流れる空気や音や時間。寝る前に必ず読み聞かせてくれた絵本や童話の想像の世界。そんな様々なものが呼応して混ざり合った感覚を楽しみながら育ったという。
榊貴美の表現の中心となっているのは主に「こども」である。例えば、溶け出すように結びつく仮面をつけた「こども」の姿や、瞳をきらきらと輝かせ真正面にこちらを向く「こども」。さらに、その「こども」はどれも匿名性を持つように顔の表情が隠され、観る人の内なる「こども」を引き出そうとする。それは心の鏡のように対話を促し、大人になるにつれ忘れてしまった記憶や感覚を刺激するのだ。また、ときめくような記号や模様は豊かな二次元の世界と入り混じり、榊貴美自身の中にあるこどもの心を映し出しているようでもある。
これまで国内外のギャラリーを中心に個展、グループ展など多数開催。絵画、写真、版画、インスタレーション等、様々な媒体での表現を行っている。 また、アーティスト活動と並行し、2012年にクリエイティブユニット「S+N laboratory」を結成。S+N laboratoryではワークショップを中心とした活動をはじめ、プロジェクト、コラボレーション、美術協力・絵画教室などの美術指導等、多岐にわたる活動を行う。
2019年には自身の作品集を出版。今後もその勢いはとまりそうにない。