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U-ku

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水彩絵具を微妙なバランスで混交させるファンタジックな筆づかいが印象的な、U-ku氏。何をモチーフにしているのか明確に表してはいないものの、淡い色調を明暗巧みに操りつつ、にじみやカスレ、勢いの抑揚などひとつずつの塗りにフェティシズムを宿すような画面づくりで普遍的な「心の世界」を描き続ける。
インテリアのなかで味わい深いニュアンスを生みそうな画想であるが、抽象に見える絵の中に非常に小さく女性や生き物の姿を隠し込んであるのも特徴。それらは彼女自身の心象風景へのナビゲーターを効果的に演じており、絵にドラマティックなスケール感と物語性を与えている。
銀座の隠れ家的カフェでの小さな展示からキャリアを始めて以来、全国各地での活発な展示活動を通してU-ku氏のアートワークへの共感の輪が拡大中で、すでに小作品を中心に人気が高まっている。今後の成長が楽しみな逸材である。