サトチヒロ
Chihiro Sato
描かれる情景、天使や少女、龍など架空の生物たちが自然界の生命力を転送するかのような、サトチヒロ氏の絵画世界。幻想的な多色づかい、曲線美のインパクトで見るものを包む。それを極めて独特なものにしているのは、絵具に加え「水晶」を画材として用いることで生まれるダイナミックな絵肌とその輝きである。通常、水晶を粉末化したものは日本画において透き通った白の表現に用いられるが、サト氏の絵では天然の水晶が細石(さざれ)状でふんだんに使われる。水晶は、気の浄化やカームダウンに役立つなど代表的なパワーストーン。カウンセラーやデザイナーとして様々な物質を研究する過程で彼は、この作用を絵画に活かす手法を開発してきた。光が集められ、絵の放つエネルギーをより強く豊かにするという。世界でも類例のない彼の絵画手法への評価は定着してきており、熱心なコレクター層が形成されているところだ。