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宇田川愛

Ai UDAGAWA

宇田川愛

「理想郷=Utopia」が本当はどこかに存在し、独自に発展を続けている。
この思想を独自の手法で表現し続ける宇田川愛。その特徴は淡く染められたシルクをキャンバス代わりに用いる点にある。
透け感のあるシルクが柔らかく幻想的なイメージを生み出し、物語性のある独特の世界観を表現している。

それとは対照的にシルク地に力強く描かれた雪山や樹木のイメージは、自然の厳しさと同時に生命のぬくもりを感じさせる。
この世とあの世をつなぐ冥府の川、川が凍りついた時だけ歩いて渡ることができるアイスブリッジ、どこへ辿り着くか分からない森の小道。

宇田川の作品に繰り返し登場するこれらのモチーフは、神話世界と現実世界、あの世とこの世をつなぐ架け橋のような象徴的存在として描かれている。
不安や恐怖と同時に静けさや穏やかさを感じさせる宇田川の作品は、自然や宇宙における人間の存在の曖昧さを表現しているかのようだ。

10万円以内で購入できる作品も多く、優しく柔らかいイメージはお部屋にもしっくり馴染みそうだ。将来性を期待できる作家として今のうちに持っておきたい一品である。