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荒木経惟

Nobuyoshi Araki

荒木経惟

「天才アラーキー」として、90年代にブームを巻き起こした荒木経惟は、独自のエロス観・情愛を感じさせる写真で注目を集める写真家であり、私生活や自身の妻、日常にむけられたその視点が、後の世代の写真家に多大な影響を与えたと言われる、日本を代表する写真家である。

こらまで、今は亡き妻(エッセイストの荒木陽子)とのセックスや緊縛、女性ヌードと妖艶な花を対とした作品シリーズなど、エロス(性、生)とタナトス(死)をテーマとした独特のエロス観と情愛に満ちた作品で話題を集めた。

メディアではどうしてもセンセーショナルなヌード作品で話題となりがちなアラーキーであるが、その一方で、東京の街並みなどを撮影した都市写真や、妻や愛猫のチロを撮影した作品、街で出会った人々のスナップ写真など、妻である陽子さんに対する愛情の深さや愛情表現のストレートさ、写真が好き、人間が好きという、彼自身の感情が写真の中の被写体から滲み出ているように伝わって来る、そんな日常写真的作品も数多く発表しており、こちらも高い評価を受けている。

2016年5月、サザビーズ・ロンドンでは、刺青をしたヤクザの妖艶な作品が、予想価格をはるかに上回る10万ドル(約1,100万円)で落札された。
これを機に、オークション市場でも価格の高騰が見込まれるため、コレクターにとっても高くなるまでに購入ができる最後のチャンスかもしれない。
76歳となった写凶老人の作品にますます期待がかかることは言うまでもない

1940, born in Tokyo, Japan