名和晃平
Kohei Nawa
「PixCell=Pixel(画素)+Cell(細胞・器)」という独自の概念をもとにビーズやプリズム、シリコーンオイル、発砲ウレタン、グルーなど様々な素材やテクノロジーを用いて先鋭的な彫刻、空間表現を展開し続ける名和晃平。
私達は「見ること」「触れること」といった視触覚を通して対象をリアルに感知、認識している。名和は、そのインターフェイスとなっている「ものの表皮」に着目し、情報社会においてデジタルとアナログの間を揺れ動く身体と知覚、感性のリアリティを表現する。
代表的シリーズ「PIXCELL」は、PCの画面に現れるイメージ(Pixel)をインターネットを介して収集し、モチーフをまるごと透明の球体で覆うことで、表面を全て同じ質感と距離感に変容させ、観る者に独特の知覚体験をもたらす。
2011年には東京都現代美術館で公立館初の大規模個展を開催、日本の現代アートとしてはじめてメトロポリタン美術館に作品が収蔵されるなど、国内外で高く評価されている 。
2012年のサザビーズ香港のオークションでは、鹿の頭部の剥製をビーズで覆った「PIXCELL-GREATER KUDU」が、およそ5000万円で落札された。
「PixCell-Karuta#1」は、かつてタグボートで、150,000 円で販売されていたが、2016年のSBIアートオークションでは414,000円の値がつき、225,000円で販売された「PixCell-Hanafuda#3」も529,000円で落札されるなど、ともに価格が2,5倍に上がっており、安定した成長を見せている。
日本の現代美術界を牽引していく若手アーティストとして、今後も国際的な活躍が期待されている。