1985年、『ウォレス・スティーヴンス詩集』の挿絵を依頼されたジョーンズは、スティーヴンスの「雪だるま」を念頭に置き季節のテーマとの版画制作を思い立つ。たまたま出来ていた近作に『夏』と名づけたが、そこから季節のテーマを展開し翌年シリーズの絵画を完成させた。1988年のヴェニス・ビエンナーレのアメリカ館で開かれた「ジャスパー・ジョーンズ 1974年以降の作品」展に出品され、大賞の金獅子賞を受賞した。原作のキャンバスニエンコースティック(蜜蝋)で描かれた作品は縦190cm横127cm、建築家のフィリップ・ジョンソンの所蔵。この版画では原作と図柄が左右反転しており、小品で色も多色から2色になっているが、薄いコバルト・ブルーが目に涼しく品位ある表現となっている。