「玉響」と同時期に制作されたカラーエッチング。「玉響」の強さに対し、さらさらと自由に銅版の上に描きながら紡ぎ上げたような、小さくて優しい空間が魅力です。青木の鉄色一色の彫刻とは異なって、白玉7は、明るいオレンジが画面にはじけ、小さいながらもハッとするほど輝いています。明るい太陽の日差しのような、フレッシュなオレンジをむいたようなさわやかさです。雁皮鳥の子という繊細な和紙に刷られています。
青木野枝は80年代から精力的に発表を続ける彫刻家で、多くの美術館、企業などに作品が収蔵されています。鉄を素材として選び、その作品の多くが、高さが2メートルを越す大型のものでありながら、彫刻とともに周囲の空間と光が自由に揺れ動くかのようで、重力を感じさせません。大きな鉄板から細い線を切り出すように溶断し、それらを溶接して作られた形には、柔らかさやあたたかさがあふれています。#script tag escaped#flgDispRecommend=false;#script tag escaped#