諸泉茂は、1981年に温度計を自身の作品の素材に選んで以降、温度計をモチーフとしたさまざまな作品制作を続けています。本作品は、諸泉が行っている「地球と温度を考察する為のフィールドワーク」の第3弾として2003年秋に外苑銀杏並木で行われた「℃+銀杏プロジェクト」の記念に制作されたマルチプル作品です。フィールドワーク時には、色づいた銀杏の落ち葉の上にたくさんの赤い温度計が並べられました。自然の陽の光が当たることにより、赤い帯は刻々と変化しながらゆるやかな山形のカーブを描き、観ている人々を魅了したのです。そのときの美しさを記念に残すべく制作されたのが、この黄色の液体を入れた温度計です。フィールドワーク時に撮影した写真(スライド)と一緒に桐箱に収めました。