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1962年キャンバスに写真をシルクスクリーンを使って転写する方法、いってみれば印刷絵画または版画絵画を発明したラウシェンバーグが、版画そのものを作り出すのはもっと後のこと。ニューヨークのユダヤ美術館で大規模な回顧展が開かれ、ヴェニス・ビエンナーレで最優秀賞を受賞して、作品がかなり売れるようになってからだ。67年に最初のリトグラフを制作して以来、今日まで数百種類あるいはそれ以上の版画を作っている。ウォーホルと並んでアートを一般の人たちに普及させたいと願っているからだ。
ロバート・ラウシェンバーグ
Robert Rauschenberg
オフセットリトグラフ
1925年10月22日、テキサス州ポート・アーサー生まれニューヨーク、アート・ステューデンツ・リーグで学んだラウシェンバーグは、1950年代、白一色の「ホワイト・ペインティング」やつなぎ合わせた画用紙の上に自動車を走らせてタイヤの跡を印した作品、キャンバスに古タイヤ、べッド・カバーや剥製の動物といった廃品を貼り付けて荒々しく絵の具を塗りたくった「コンバイン・ペインティング(物と絵とを組み合わせた)」を制作する。1962年、ウォーホルより一足先にキャンバスに写真を転写する「シルクスクリーン・ペインティング」の制作を開始、写真は自分で撮影したもの以外に新聞や雑誌、美術雑誌を脈絡なく組み合わせ、アメリカの時代、土地、そして社会を浮き彫りにした。作曲家ジョン・ケージや舞踊家マース・カニンガムとも活動をともにした。1993年第2回ヒロシマ賞受賞、1997年、ニューヨークのグッゲンハイム美術館で大規模な回顧展開催。