六本木ヒルズに設置されている巨大な蜘蛛の彫刻でお馴染み、アメリカを代表する彫刻家ルイーズ・ブルジョワによる1999年のリトグラフ作品です。ルイーズ・ブルジョワは同年の第48回ヴェネツィア・ビエンナーレ金獅子賞を始めとして、数々の栄誉ある賞を受賞。また展覧会はほぼひっきりなしに世界各地で行われています。(2007年にもテート・モダンで回顧展が予定されています) 常に何かのメタファーとして描かれているブルジョワの作品ですが、初期の絵画にも樹木を描いた作品があり、作家はこう語っています。「木とは誰か想いをはせる人のことを描いたポートレートである。植え、水を遣り、常に心を配る。例えばそれは子供にも喩えられる。また“愛されし人”とこの絵を呼ぶこともできるだろう」。まさに“生命の樹”とも言える絵。どこか物語の挿絵のようにも見えてきますね。