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ピストルやナイフといったオブジェに、オオゴマダラという蝶の金色に輝くと言われているさなぎを、さりげなく付着させている。黄金に輝く蝶の蛹のぬけがらは、タイトルから「夜明け」(Dawn)と共に空へと飛び立ったであろう美しい蝶を想起させる。
同時にこの夜明けでは、鑑賞者の主体的参加、つまり想像力を働かせる、というモンタージュが求められている。つまり、何が現実社会における夜明け足りえるのか、というアーティストの問いが内包されている。
この蛹の有機的な形は、見るものにその美しさと繊細さ故、暴力を連想させる人工的オブジェに触れることをためらわせる。自然のもたらす有機的美しさ、という力の下で、人工的な力を寄せ付けない、自然の美の強度が保たれている。そう、そこからが、私たちの夜明け足りうるのである。(渡辺真也)

Dawn (Knife)    小サイズ

Dawn (Knife)    small

Yuken Teruya

作品本体価格Sellng Price(Artwork)
¥ 50,000
箱代/額装費Framing Price
¥ 14,000
消費税Tax
¥ 6,400
合計金額(税込)Total(include tax)
¥ 70,400
SOLD OUT

More Details

クロモジェニックCプリント

サインSignature
あり Yes
EDITION
30
制作年Year of Creation
2008年
サイズSize
20.3x 25.4 x3cm
作品の状態Condition
良好
額仕様Frame Specification
アッシュ白木/直貼
額寸Frame Size
26.3x 31.4x 0cm
納品期間Shipping Time
約2週間
特記事項Notices
作品IDItem ID
5100

Profile

1973年、沖縄県生まれ。
1996年、多摩美術大学油絵科卒業。
2001年、スクール・オブ・ビジュアル・アーツ(ニューヨーク)、修士課程修了。
現在はニューヨーク、ブルックリンを拠点に活動を続けている。
2002年にはVOCA展賞(上野の森美術館)に出品、奨励賞を受賞。
一方、ニューヨークにおいてもP.S.1とMoMAが合同で企画した新人発掘展「Greater New York」においても選出される。
さらに2005年には「横浜トリエンナーレ」に日本代表の1人に選ばれた。
一貫して社会性の強い作品をつくっており、例えば2002年にVOCAに出品して賞をとった作品「結ーい、結ーい」は一見すると沖縄の伝統的な紅型(びんがた)の着物に見える。
しかしよくよく眺めると染められた柄が、パラシュートで降下してくる米兵や戦闘機になっており、現代の沖縄における政治的な問題が揶揄されている、といった具合だ。
また別の作品では、マクドナルドやティファニーの紙袋に器用にカッターで切り込みを入れ、飛び出す本の要領で、袋の中に“木を生やす”という表現をおこなっている。
これは大量消費の典型であるブランドの紙袋にも、「木の精神は宿っている」として、静かに森林破壊への警鐘を鳴らした作品である。
2006年春には「第 12回バングラディシュ・ビエンナーレ」に日本代表として出展し、夏にはアサヒ・アート・フェスティバル(6月17日~7月18日)の一環として「照屋勇賢-水に浮かぶ島」展(すみだリバーサイドホール)が開催される。
社会派アーティストとして今後が楽しみな存在だ。

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